こうへいブログ  京都案内 そして スラスラと流れるような文章が書けるようになりたくて

京都観光案内 その裏に隠された物語のご紹介と、それをわかりやすく伝えるために奮闘する文章研究の日々

神社

応天門の変  不可解な謎に満ちた難事件

平安京のシンボルといわれた朝堂院。平安宮の中心となる建物でしたが、その正門があの応天門です。 ここで起きた応天門の変は、日本史上有数の不可解な謎に満ちた政治的疑獄事件と言われています。 また、明治28年に平安遷都1100年を記念して建立され…

北大路魯山人  美食俱楽部による至高のメニュー そしてパブロ・ピカソとの出会い

美食倶楽部 陶芸、篆刻、書画とマルチにその才能を発揮させた北大路魯山人(ろさんじん)。 美食家という称号をこの国で初めて獲得したのも、他ならぬ彼だったのではないでしょうか。 大正10年、魯山人は38歳のときに、経営していた美術店の2階に会員制…

六孫王神社  臣籍降下と源氏のルーツ 

なぜに臣籍降下は始まったのか 私たちは「源氏」というと、源頼朝・義経など、「武士の源氏」を強くイメージします。 実は「源」という姓は、皇族、つまり天皇一族が「臣籍降下」(しんせきこうか)する際に与えられた姓であり、それは嵯峨天皇のときに始ま…

糺の森  ひとびとが行きかう鎮守の森 光が地を包む

針葉樹じゃなくて広葉樹 日本の神様は、静かな暗い所がお好きなので、深い緑に包まれた森に鎮座されます。 いちばん好適なのは、スギやヒノキなどの常緑の針葉樹が立ち並ぶ、そんな場所です。 なぜなら、よく茂った樹々の緑葉が陽射しを遮り、うっそうと辺り…

桂昌院  遠くへ 西陣のお玉は江戸で将軍の母になった

江戸幕府第五代将軍 徳川綱吉 徳川綱吉の母・桂昌院は、ある悩みを抱えていたことで祈祷に通いつめていました。 息子の綱吉に後継ぎができないこと、つまり孫が授からないのは、自身の信仰心が全然足りていないからなのだと苦悩していたのです。 もともと信…

伏見稲荷大社  荼枳尼天は白いキツネに乗って

朱く長き異界 商売繁盛の神様として有名な伏見稲荷大社。その朱一色の世界は、京阪電車・稲荷駅にも見られ、伏見という街のイメージと重なり合います。 稲荷という社名は、「稲生」(イネナリ)の「ネ」が抜けて「イナリ」となり、「リ」が「ニ」に転音して…

北野天満宮  道真の怨霊 稲光が走り雷鳴がとどろく

平安時代中期の天暦元(947)年に創建された北野天満宮。 菅原道真(菅公)をご祭神とし、藤原氏によって大規模な社殿造営がなされました。 国宝に指定されている本殿は、豊臣秀頼によって再建されたものです。 これは八棟造と呼ばれる様式で、拝殿と本殿…

八坂神社  祇園の神様 出雲の女神と出会ってから

神仏分離令からまだ150年 神と仏は同じであると考える神仏習合。それは、今日ではあまり理解されていません。 ですが、明治維新で神仏分離令が出されるまで、奈良時代から江戸時代まで1200年の間、ごく自然に日本人に受け入れられていたのです。 日本…

豊国神社 京都東山七条  平和への歓喜に沸く風流踊り

歓喜に沸く豊国大明神臨時祭 慶長3(1598)年、豊臣秀吉は伏見城で他界し、方広寺大仏殿の背後にそびえる阿弥陀ヶ峰に理葬されています。 翌慶長4年には、「豊国大明神」という神号を朝廷から与えられ、正式に神格として祀られました。 これが「豊国神…

野宮神社  源氏物語の宮 闇のむこうに

斎宮が心身ともに聖女となる場所 天武天皇の時代以降、華やかな宮廷に生まれ育った内親王・女王の中から、伊勢神宮に仕える聖女として斎宮はえらばれました。 国家の祭祀を担当する重責を負いながら、年若く、身清くして単身で伊勢におもむき、天皇の御手代…

貴船神社  和泉式部も訪れた ホタルが飛ぶ川のほとり

神が乗ってきた貴船 貴船川の右岸に建つ貴船神社は、1300年前の建て替えの記録が残っているという古い歴史を持ちます。 そして貴船の神は、賀茂川をさかのぼってこの場所にきたという伝承があるんですね。 今は貴船と書きますが、神が乗ってきた「黄色い…

上賀茂神社  神奈備信仰の社  岩倉具視が復活させた葵祭

古代日本人の優れた色彩感覚 賀茂川上流にある御園橋(みそのばし)を渡ると、奥のほうに、上賀茂神社がしずまっているのが見えてきます。 丹塗りの鳥居と殿舎が、まるで王朝時代が再現されているように、青い杉の木立のなかに立ち並んでいるのです。 神社建…

下鴨神社    水の神がいる裁判発祥の地 糺の森

賀茂社を司っていたのは賀茂氏です 上下の両賀茂神社は、伊勢神宮と並んで皇室からもっとも崇敬されてきました。 賀茂社の神に対する崇敬が特に厚くなったのは、桓武天皇の794年平安遷都からです。 賀茂社を司っていたのは、京都の東北に居を構える賀茂氏…

平安神宮  再現された ありし日の平安京と王朝文化

日清戦争が起こって1年延期される 桜の見どころで有名な平安神宮は、明治28(1895)年に創建されました。 平安遷都千百年祭の記念殿として建てられ、同時に、第四回全国勧業博覧会が開催されました。 本来この2つの記念祭は、前年の明治27年に開催…

北野天満宮   菅原道真公と参道にすわりこんだ十体の牛

参道にいる撫で牛は座り込んでいる 古来より日本の神社は、巨木の繁るうっそうとした森に囲まれた場所にあったので、必ず神の使いの動物がいました。これは日本の「神道」の原型のひとつといわれています。 北野天満宮では牛の信仰があり、そこから派生して…

伏見稲荷大社   朱色の楼門を見上げて 秀吉の願いをかなえたお稲荷さん

秀吉によって寄進された高さ15mの巨大な楼門 お稲荷さんの愛称で知られる伏見稲荷大社は、全国稲荷神社の総本山です。創建は和銅4(711)年、稲荷山に三つの柱を祀ったことにはじまります。 お稲荷さんといえばやはり有名な千本鳥居ですが、まず目に…