ちょっと休憩

連体修飾節の投げ出し提示  文章の書き始めにつまづいたら

文章の書き出しに思わずつまづいてしまい、伝えたいことは決まっているのに、なかなか書き出せないことがあります。 そんな時に役に立つのが、連体修飾節の投げ出しによる主題提示です。 「京都市の西北部に建つ神護寺。それは、平安京が出現する少し前の天…

小麦色のマーメイド  書き手が最も伝えたい一文

同定文と記述文 前回は、「ガ」句と「ヲ」句という二つの「提示機能」を使った主題提示のあり方を説明させていただきました。 a)関取の中では、荒駒が、最も腰が強い。 b)私は教官の行動を不審に思った。 a)b)は共に、「他の誰でもない荒駒が」「他…

構造から見る日本語文法  「このクラスでは 岸田君が いちばん頭がいい」

ふたつの「ガ」 今回ご紹介する一冊は、言語社会専攻 教授 三原健一氏の「構造から見る日本語文法」です。 ここで書かれている理論のその特徴は、日本語の語彙論的な意味よりも、むしろ、「構造」に基盤を置いて言語を考えようと説かれている点にあります。 …

現代日本語の構造  テキスト全体の中から最も重要なセンテンスを選びだす方法

統一的な把握の方法 日本語における「複文」についての捉え方として、その考察が非常に有益であると評価されている二人の文法学者がいます。 一人は、前回紹介しました「象は鼻が長い」の著者である三上章さん。 そしてもう一人が、「文はどのような過程を経…

象は鼻が長い 三上文法  文という枠を越える言葉

主語廃止論 日本語の基本的な関係は「主語―述語」ではなく、「主題―解説」であるという考え方。 それは、日本の文法研究の発展に伴い、多くの学者たちに支持されるようになりました。 その理論を広く世に知らしめた存在が、高校の数学教師から国語学会へと転…

日本語の文法を考える  「桜の花は咲いている」「それがどうしたの」

現代日本語の研究の中で、これまで最も精力的に行われてきた論争とはいったい何か。 それには、「ガ」と「ハ」という二つの助詞を、どのように使い分ければいいのか、というテーマがあげられるといいます。 というのも、この「ガ」と「ハ」の使い分けは、日…

悪文  伝わる文章の作法 「人の世を作ったものは・・」  

前回に続き、文章表現の上達を目指して読み漁った本の中から、非常に有益だったと感じた一冊をご紹介します。 【「悪文」 岩崎悦太郎 編著】 伝わる文章の作法をテーマに、8人の著者の執筆による個々別々の章で編成された異色の文章読本です。 悪文 伝わる…

日本語の作文技術  よく柿食う客がとなりの客だ

ちょうど3年くらい前にブログを始めたのですが、出来上がったものを読んで愕然としたのを覚えています。 タドタドしいといいますか、言葉足らずといいますか、とにかく読めたもんじゃなかったのです。 今もたいして進歩していないのですが、なんとなく助詞…

4年目の秋

1976年に「路地裏の少年」でソロシンガーとしてデビューした浜田省吾。 デビュー当時から和製ボブ・デュランと高い評価を受けていた彼ですが、あくまでもライブによる活動を大切にし、生身のステージによる表現にこだわり続けました。 その頑なな生き様…