三千院   見どころはやはり往生極楽院! 巨大な阿弥陀さまが目の前に現れる

 

苔の庭の杉木立の中に建つお堂

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往生極楽院の中に入ると、あっと驚かされます。
外からは想像出来ないような大きな阿弥陀如来坐像が、こちらに向かって迫ってくるように安置されているからです。阿弥陀さまの頭は、天井にぎりぎりつかえそうになっています。天井は船底を逆さにした形になっていて、小さなお堂に大きな阿弥陀さまを入れる為に、後から修復されました。

大原には平安時代中期に、往生極楽院、勝林院、来迎院という三院がつくられて、人々が多く集まり、この三院の周囲に庵を結んでいました。
そして、明治29年に往生極楽院が、三千院の境内に本堂として移築されました(現在は宸殿が本堂です)。念仏の里である大原のシンボルといえば、やはり往生極楽院と言われています。

堂内の天井やランマは歴史を感じさせるようにかなり黒ずんでいます。
菩薩像や飛天のすがたが描かれていて、今は判別出来ませんが境内にある宝物館で当時を再現したすがたを見る事が出来ます。青が強調された、まさに浄土を再現するような極彩色の空間がそこに見られます。

 

いまにも立ち上がりそうな仏像

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阿弥陀如来坐像の両脇には観音菩薩勢至菩薩が安置されています。
金色に輝くこの三体は「来迎の弥陀」と呼ばれていて、日本の美術史上で特に有名なものです。なんといってもお堂が小さいので、前に立つと三体の仏像との距離が非常に近いのです。他のお寺だと、仏像が立ち位置からかなり奥にあったり小さくてよく見えない所もあります。手をのばせば触れられそうなところから拝観できる(実際に触れてはだめですが)間近に対面できる、それが人気の秘訣ではないでしょうか。

そして、この観音菩薩勢至菩薩の座りかたに特徴があります。
この座りかたは大和座りと呼ばれていて、純日本風の座りかたと言われています。坐像ですが、いままさに立ち上がろうとする瞬間を再現したかのように、前かがみの独特の姿勢をとっています。

仏像の座り方といえば、あぐらをかくように足を組んで、左右の足の甲をももの上にのせる結跏趺坐(けっかふざ)が代表的です。これはインドから中国を経由して入ってきた座りかたです。

結跏趺坐の場合、まず足をくずして座り直してから立ち上がることになり時間がかかってしまいます。そこで、出来るだけ早く迎えに来てほしいという人々の願望から、大和座りをしためずらしい仏像が誕生しました。まさに、平安時代末期に造られた貴重な仏像なので、見る事が出来ためずらしい仏像の姿なのです。