文章を読み進めていて、「ん?」と、1回で文が読み取れないことがあります。
ひと文が長くて、なかなか述語にたどり着けない場合によく見られるのですが、たいていそれは、長い連体修飾節が挟み込んで書かれていることが多いのです。
たとえば、次の例文は鹿児島のラ・サール高校の入試で実際に出題されたものですが、意図的にかなり読みづらくして書かれた文になっています。
問題 次の文全体の「主語」の文節を答えよ。また、傍線をつけた「中には」は、どこを修飾しているか。
これら若き裸の侍たちの取り組みの中には、見終わったあとも、いやむしろその夜床に入ってから改めて、勝負の一コマ一コマが目の前に現れ、眠ろうとしてもなかなか寝つかれないといった興奮で私をつかまえてしまうものが少なくない。
解答 「主語」の文節:「ものが」「中には」が修飾するもの:少なくない

句読点を入れても106字と、特に長いわけでもないのですが、一度読んだだけでは理解しにくい文になっています。
その理由は、「見終わったあとも、いやむしろその夜床に入ってから改めて、勝負の一コマ一コマが目の前に現れ、眠ろうとしてもなかなか寝つかれないといった興奮」という、主名詞「興奮」にかかる尋常じゃない長さの連体修飾節が使われているからです。
しかも、それで終わることなく、「私をつかまえてしまうもの」まで伸びていて、最終的に形式名詞「もの」が全てを受けとめる二重の連体修飾節で構成されているんですね。
((見終わったあとも、いやむしろその夜床に入ってから改めて、勝負の一コマ一コマが目の前に現れ、眠ろうとしてもなかなか寝つかれないといった興奮)で私をつかまえてしまうもの)が少なくない
ただ、どんなに長い修飾節が使われていようと日本語の文の構成に例外はありません。この文の全体は述語「少なくない」が支配しているのです。
これら若き侍たちの取り組みの中には、少なくない。
見終わったあとも~つかまえてしまうものが、少なくない。
逆に言えば、読みにくい文をつかみやすくするには「主名詞」を探せばいいということがわかります。
2重、3重になっていますが、必ず先に「主名詞」が存在しますので、それを指標にすることで文構成を読み取れることができるはずなんです。
さらに言えば、連体修飾節を切り取り、後続文に独立させてしまうことによって、下のように読みやすい文章に変わります。
これら若き裸の侍たちの取り組みの中には、ただならぬ興奮で私をつかまえてしまうものが少なくない。
それは、見終わったあとも、いやむしろその夜床に入ってから改めて、勝負の一コマ一コマが目の前に現れ、眠ろうとしてもなかなか寝つかれないといったほどの興奮なのだ。
このように「主名詞」さえ掴んでしまえば、たいていの長い複文は分析することができるのです。