こうへいブログ 京都案内と文章研究について  

京都観光案内 それをわかりやすく伝えるために奮闘する文章研究の日々

通販番組でここぞというときに使われる「分裂文」 最後に提示される指示対象

引き続き、今回も「のだ」に関連する名詞述語文を考察していきたいと思います。 名詞述語文には、「分裂文」と呼ばれる特殊な文が存在します。 動詞述語文や形容詞述語文を名詞述語文に変換させた表現なのですが、たとえば、 Ⓐ裕子が、トランペットを手に入…

名詞化とはどういうことか? 「要するになに」「言い換えればどういうこと」

前回のブログでは、文末に「のだ」をつけて表現するには一定の条件が必要なのだということを説明しました。 「のだ」を使う場合は「前提」が必要となり、その前提の答えとなる「焦点」に対して「のだ」は付随するんですね。 今回はその「のだ」が文法的にど…

「のだ」とはなにか? そこに答えがあるのです

日本語の文は基本的に述語に助動詞が足されて終わるのですが、ときに、「のだ」「のです」という言葉で括られる場合があります。 この「のだ」という形式は非常に頻繁に使われます。 「買ったんです」の「んだ」も「のだ」とまったく同じ意味合いで、話し言…

助動詞「だ」が付くことではじめて文となる

日本語の文のタイプは、動詞述語文、形容詞述語文、名詞述語文と、わずか3種類に限定されています。 それぞれの述語は「統叙」という機能を持ち、前に並ぶ文の成分を最後にまとめ上げるんです。 たとえば、 雨が降り出したので、裕子とパシフィックホテルに…

現在形と完了形を上手に使い分けることで文章が単調になることを回避する

日本語の文は述語が統一してるという原理をこのブログでは繰り返し伝えてきました。 たとえば「桜の花が公園に咲く」という文の場合、「桜の花が」と「公園に」という成分が述語「咲く」によって統一されています。 そしてこの文を「桜の花が公園に咲くね」…

吾輩は猫ではある  少しソフトな表現で

ではあるのだけれど 夏目漱石の小説のなかに「吾輩は猫である」という著名な作品があります。 漱石はなぜ「吾輩は猫だ」とせずに「猫である」というタイトルにしたのでしょうか。 「である」と「だ」という言葉は繫辞(けいじ)と呼ばれていて、主題と述語を…

連体助詞「の」を意識することで曖昧な表現をさけることができる

膠着語 日本語におけるコトバとコトバとの関係を示す方法。それは、助詞や助動詞を使ってつなげていくという手段です。 いわゆる膠着語(こうちゃくご)と呼ばれるもので、文字どおり膠(にかわ)を使うようにペタペタと言葉をつなげていくやり方なんですね…

語順にこだわれば 流れるような読みやすい文を書くことができる

日本語と英語の違い 言語博士の金谷武洋氏は、日本語と英語の発想の違いを次のように説いています。 「日本語は人間を表すというよりも、自然中心の言語表現が多くて、逆に、英語は人間の行為をせっせと表現する。」 つまり、意図を持った行為として言語表現…

「親を頼る」か「親に頼る」か?

文学的な表現 ときおり、小説の物語に出てくる異質な表現、それは、「文学的な表現だね」などと、よく言われます。 実際に読んでいて、「あれ、これって文学的な描き方だな」と思わされることも少なくありません。 独創的な発想で描かれた、その作家の表現を…

外延と内包  交互に繰り返し表現しながら文章は展開されていく

対立概念 「ずいぶん抽象的だな」とか、「もっと具体的に」といった言葉を聞くことがよくあります。 具体⇔抽象、こういった対立概念は他にも、絶対⇔相対、普遍⇔特殊、主観⇔客観、といったように、いくつにもみることができます。 これらの使い分けはビジネス…

文章を構成する対比概念  その対比を巧みに描くことが出来れば文章は踊り出す

自然と人間 「踊る文章」、作家の井上ひさし氏は、自然と人間との対比が見事に描かれている文章をこう呼んでいます。 自然と人間とを同時に捉えるということ。 自然の細やかな変化やその美しい現れを人間との対比において巧みに描くことができれば、そのとき…

繰り返しをさけることで複文はリズム感をもって流れ出す

中立法 文章を構成している一つひとつの「文(センテンス)」。 句点「。」から句点「。」までの単位を「文」とするなら、主語と述語が一つずつしかないという単純なものはほとんど見られません。 複数の主語と述語が組み合わさって、複雑な「複文」として書…

あなたの「声」を読者に届ける文章の書き方

混用 私たちが文章を書くとき、その文体のスタイルというのは、丁寧形(です・ます)、普通形(る・た)といったように、大きくふたつに分けることができます。 少・中学校の作文の授業では、ふたつのタイプの文体を混ぜ書きすると、「統一しなさい」と赤ペ…

点描文体  文章にリズム感をもたらすための「緩急」とは

最後にくる言葉 日本語の文体において、読み手が最も注視するのは文末です。 なぜ注視するのかというと、文末というのはもっとも重要な情報が含まれているために焦点化されやすいからなんですね。 また、日本語というのは語順が決まっていて、最後にくるのは…

尻尾のはなし ③テンス  彩色された文章

過去の話か それとも 尻尾のはなしシリーズ、3つ目にご紹介するのは、「テンス」というカテゴリーになります。 話し手が話す事柄が過去に起きたことなのか、それとも、これから起きるのか、といったことを区分する文法手段がここでいう「テンス」の概念です…

尻尾のはなし ②アスペクト 「地」と「図」のバランス

ケイゾク 前回の記事では、「ボイス」と呼ばれる出来事における書き手の立場を表す概念について考察しました。 「する・させる」というように能動的な立場をとるか、それとも「れる・られる」といった受動的な立場をとるのかといった違いです。 引き続き、文…

尻尾のはなし ①ボイス それは自分の意見か世間の声か

二者択一 世に出ている日本語文法の入門書のたぐいというのは、ピックアップされている重要項目がほぼ共通しています。 そこでは、①ボイス②アスペクト③テンス④ムード といった4項目が基本として構成されているんです。 ブログで記事を書くときでも、自分の…

視点  読み手の共感を得るための描き方とは

感情移入 小説を大雑把に区分けすると、一人称視点の小説と、三人称視点の小説に分けることができるのではないでしょうか。 ここでいう視点とは、つまり、物語が誰からの目線によって語られているかということなんです。 対象をどこから見つめているのかを表…

魅力あるテキスト(文章)展開を表現するためのカギはどこにあるのか

「負けないコト」 人はなぜ「コト」という言葉を使うのか

思いをぶつける文章 「~するコト」、という言い方を私たちはよくします。 「負けないコト」「投げ出さないコト」「信じぬくコト」 じつは、この「コト」という言葉は「形式名詞」と呼ばれていて、動詞述語文や形容詞述語文の後ろに続くことで、名詞文に変換…

接続助詞「が」について  伝えたいことがスルリと読者の意識から逃げてしまわぬよう

文と文をつなぐ接続助詞にはさまざまなタイプが存在します。 たとえば、 Ⓐ紅葉の時期を迎えると、京都は観光客で溢れかえります。(順接条件節) Ⓑいくら練習をかさねても、少しも上達しません。(逆接条件節) Ⓒ風を引いたので、仕事を休みます。(原因・理…

連体修飾節「内の関係」  ひとつ足りないもの

ふたつのタイプ 引き続き今回も連体修飾について触れていきたいと思います。 連体修飾を理解し駆使できるようにならなければ、流れるようなリズム感を持った文章なんてまず書くことはできないのだと筑紫哲也や本多勝一が説いているように、この先、文章を書…

連体修飾  付け足していくことで増える情報量 

昨日、BARで 今回は、文が他の文の(修飾)成分になる「連体修飾」について考察したいと思います。「連体修飾」は、名詞を修飾する言葉ですね。 まず次の文を見てみて下さい。 Ⓐ昨日、BARでヒロシがきれいな女の子とお酒を飲んでいた。 昨日 飲んでい…

「山椒魚は悲しんだ」 超一級のリズム感で描かれた不朽の名作

言葉の響きと文章の調 文章読本としては異例のロングセラーとなった「日本語の作文技術」。 著者である本多勝一氏はその本文のなかで、文章表現における巧みなリズム感の必要性を強く説かれています。 本多氏によると、人は本を読むとき目で活字を追いながら…

「れる・られる」 人はなぜ受身言葉を使うのか

そこに「場面」をともなうか 日本語の表現のひとつに、受身、または受動態と呼ばれている文法カテゴリーがあります。 「思われる」「求められている」「販売されている」などといったように、他に働きかけることを表す他動詞に「れる/られる」がついた表現で…

時の流れを表現する  「動き」と「状態」の描写を使い分けるには

アスペクト 皆さんがブログを執筆されるとき、そう、たとえば動詞を使って、一つの文の締めくくりを表現されているとします。 「走る。」「食べる。」「買う。」、確かに自分が書いている言葉なんだけど、妙に、何だかしっくりこないなと、感じられたことは…

言葉の並べかたの話  きっとリズム感は出せるはず

たったひとつしかない係助詞 「は」 わたしたちが日本語で文を書こうとするとき、その語順は比較的自由に並べることができます。 英語の場合ですと、主語は原則として必ず文頭に置かれ、それに合わせてbe動詞や一般動詞の選択がされることになります。 つま…

文章にリズム感をもたせるにはどのように書けばいいのか  それは語順にこだわるということ

縦と横で織りなされるセンテンス 日本語のセンテンスは単文と複文に分けられるのですが、述語がひとつの文が単文、ふたつ以上の述語が組み合わされた文が複文です。 たとえば、 Ⓐヒロシはウワサを聞いた。 という文をひとつの単文だと捉えた場合、 Ⓑヒロシは…

「です」と「ます」の違い 主観的に訴えるか客観的に表現するか

「です」と「ます」の2種類しかない 私たちがブログを書くとき、文体を統一させるために、丁寧形で書くのか、普通形で書くのかを選択しなければなりません。 いわゆるデス・マス調か、タメ語調か、どちらを選択するのかという違いといってもいいでしょう。 …

読み手にスラスラと文章を読んでもらいたいという書き手の思惑を遮ってしまう最大の要因は読点「、」にあるんです

最後までとどく 少し長めの、伝えたい内容を区切らずに続けて1文にまとめたいとき、「中立法」を使って接続表現するという方法があります。 「あります」というよりも、どこの何に出ている文章を読んでも必ず出てくる表現方法なのですが、極論を言えば「中…