泉涌寺  遠い大陸の果てからやってきた文化財がある大伽藍

泉涌寺は大門をくぐると、坂の上から伽藍(がらん)を見下ろす配置になっています。ゆるやかな下り坂の向こうに、黒光りした本瓦の屋根の、重くずっしりとした仏殿が目に映ります。緑に囲まれた広く白い窪地の庭に、建物が沈んだように見える不思議で魅力的…

修学院離宮   自然豊かな帝王の山荘  忘れることは許すこと

修学院離宮は、後水尾法皇によって江戸時代初期の1655年頃から着手され、足かけ20年を費やして作られました。かなり規模が大きく、その庭園は、上、中、下の各山荘によって建てられています。各山荘は田園の中を道でつないであります。後水尾天皇のた…

真如堂    女性たちに「心配しないで」と優しい表情を見せる阿弥陀さま

銀閣寺と南禅寺を結ぶ「哲学の道」の近くに、神楽岡(かぐらおか)という静寂に包まれた場所があります。真如堂は神楽岡にある古い歴史を持つお寺ですが、正式名は鈴聲山真正極楽寺(れいしょうざんしんしょうごくらくじ)といいます。鈴聲山という山号は、…

知恩院    大晦日につかれる巨大な鐘と日本最大の三門

1922年、物理学者のアインシュタインは、知恩院の鐘の中に潜り込んでいました。日本最大級の大きさといわれる知恩院の梵鐘。一度つくと、その音の余韻は20分近く続きます。ですが、鐘の真下に立つと、不思議なことにその音が消えて聞こえなくなるとい…

一休寺   「雨が降ろうが風が吹こうが 気にしない気にしない。」

「酬恩庵」一休寺。一休禅師が荒れ果てていた寺を1456年に復興させました。一休は、ここで後半生の生涯を送りながら、応仁の乱で全焼した大徳寺を見事に再建させ、81歳で大徳寺住職となった時も、この寺から通っていました。 一休宗純という人物の風狂…

醍醐寺    京都でいちばん古い五重塔

千年前に建てられた幻想的な宗教建築物 京都で有名な塔といえば、やはり東寺の五重塔ですが、京都でいちばん歴史ある古い塔は醍醐寺の五重塔です。東寺の塔は4回も火災に遭い、現在の塔は江戸初期の1644年に建てられたものです。それに対して醍醐寺の塔…

高山寺 国宝「鳥獣人物戯画」はなぜこの寺に伝わったのか 

高山寺は京都にある世界遺産のひとつで、人里離れた栂尾の地にあります。高山寺には石水院という国宝がありますが、これは明恵という僧の住房だった建物です。1218年に後鳥羽上皇から学問所として贈られたものを明恵が高山寺に移しました。建て替えや改…

神護寺    紅葉の名所  高尾に残る威容を誇る寺

荒ぶる魂で寺を再興させた怪僧 その荒れ放題の寺からは、何から何まで寺宝はすべて持ち去られていました。ただひとつ残った薬師如来立像も雨ざらし野ざらしの状態です。堂宇の破れた屋根のすきまから月光が、この如来像の横顔にふりそそいでいました。 空海…

北野天満宮   菅原道真公と参道にすわりこんだ十体の牛

参道にいる撫で牛は座り込んでいる 日本の神社は、古来より巨木の繁るうっそうとした森に囲まれた場所にあったので、必ず神の使いの動物がいました。これは日本の「神道」の原型といわれています。 北野天満宮では牛の信仰があり、そこから派生して撫で牛が…

三千院   見どころはやはり往生極楽院! 巨大な阿弥陀さまが目の前に現れる

苔の庭の杉木立の中に建つお堂 往生極楽院の中に入ると、あっと驚かされます。外からは想像出来ないような大きな阿弥陀如来坐像が、こちらに向かって迫ってくるように安置されているからです。阿弥陀さまの頭は、天井にぎりぎりつかえそうになっています。天…

平等院   鳳凰堂 それは飛ぶ鳥の形をした建物

鳥の姿を池の水に映す極楽浄土 その建物は、南北翼廊を左右の翼になぞらえ、真ん中の阿弥陀堂をまさに鳥の顔に見立てています。よく見ると阿弥陀様の目は鳥の目であり、その上には鳥の鶏冠のようなものが乗っています。尾廊は長く池を横切って裏山に通じてい…

養源院  俵屋宗達の残した杉戸絵

豊臣家により創建され徳川家によって再建された寺 養源院は文禄3(1594)年に豊臣秀吉の側室淀殿の願いによって、彼女の父、浅井長政および祖父久政の追悼の寺として建てられました。戦国期の北近江の大名であった浅井長政は、妻お市の方の兄にあたる織…

大覚寺   京都に意外と少ない 宮廷の美学を感じられる皇族の寺

嵯峨天皇の離宮から仏寺に 大覚寺のある嵯峨は、平安時代初期に嵯峨天皇の離宮「嵯峨院」があり、譲位後も仙洞御所として住まれていた場所です。嵯峨天皇の没後、皇女の正子内親王が嵯峨院を寺にあらため、876年に清和天皇から大覚寺の寺号を賜りました。…

智積院   必見! 長谷川派による国宝の障壁画

智積院は和歌山県の根来寺にルーツを持つ、新義真言宗を名乗る智山派の総本山です。 新義真言宗は真言宗の改革派というべき院政時代の僧、覚鑁(かくばん)の流れをくむ真言密教です。覚鑁は高野山から根来山へ修学の地を移し、根来寺山内には多くの子寺や僧…

天龍寺   大方丈から曹源池の向こうに見る登竜門

後醍醐天皇の鎮魂のために造られた寺 天龍寺は暦応2(1339)年に、足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために高僧、夢窓疎石を開山として建立されました。尊氏によって吉野に追いやられた後醍醐天皇は、右手に剣を持ち、左手に法華経を持って、臨終の苦し…

高台寺  【飾らない女性 ねねの寺】見どころ  伏見城から移築された思い出の住まい

桃山文化の華を伝える「ねねの寺」 高台寺は豊臣秀吉の正室・北政所ねねが、秀吉の菩提を弔うために慶弔11(1606)年に建立しました。東山のなだらかな山すそにあり、春は、しだれ桜、秋には萩の花が咲く桃山文化の貴重な遺構のお寺です。 広大な敷地…

二条城  障壁画の楽しみかた 狩野派という絵師集団

二の丸御殿が遺されているのは奇跡です なぜ、二条城はいつも観光客で溢れているのでしょうか。それは、武士がそこに寝泊まりしたという部屋が、そのまま残っているという貴重な城だからです。天守閣ではなく、住居として残されているのはここだけです。 安…

仁和寺  静寂につつまれた壮大な門跡寺院

桜の季節だけじゃない仁和寺の魅力 仁和寺を拝観される時にぜひ見ていただきたいのが、中門から二王門を正面に見下ろす壮大な景色です。迫力ある二王門をくぐると、中門まで上り斜面になっています。ですので、中門まで上がって振り返ると正面に二王門の裏側…

三十三間堂  千手観音に守られた奇跡のお寺

750年前から保存されている仏殿 蓮華王院三十三間堂は、長さ125mの仏殿の中に1001体の千手観音像が整然と並ぶ国宝の宗教建築です。後白河院が、住んでいた法住寺殿の中に、平清盛の力を借りて長寛2(1164)年に建立しました。観音の力で、人…

伏見稲荷大社   朱色の楼門を見上げて 秀吉の願いをかなえたお稲荷さん

秀吉によって寄進された高さ15mの巨大な楼門 お稲荷さんの愛称で知られる伏見稲荷大社は、全国稲荷神社の総本山です。創建は和銅4(711)年、稲荷山に三つの柱を祀ったことにはじまります。 お稲荷さんといえばやはり有名な千本鳥居ですが、まず目に…

建仁寺  大迫力! 法堂の「双龍図」

墨に七彩あり 孤高の日本画家が描いた天井画 京都の名刹には、法堂に龍図の天井画が描かれている場所が多くあります。龍は仏法護持の神将ですが、水をつかさどる事から「火災から建物を守る」という意味も含まれています。 建仁寺の龍図は、創建800年記念…

東福寺  木立の中に浮かぶ通天橋(つうてんきょう)

紅葉のピークの頃にはひと月で50万人が東福寺を訪れます 東福寺といえば、やはり「通天もみじ」と呼ばれる赤い楓が通天橋を包み込む風景が有名です。紅葉の季節には、観光客の方々で埋め尽くされます。中門から徒歩で10分位の距離でしょうか、九条通り「…

南禅寺  三門で風に吹かれて

いつでも公開されている三門の楼上 緑に包まれた参道から中門をくぐると、おだやかな登り坂が続いています。すこし視線を左に向けてみると、禅宗寺院独特の大きな迫力のある三門が見えます。三門を正面から離れた距離で見ると、開放感のある敷地が広がってい…

金閣寺  水面に映る姿を見るなら曇りの日

金閣がゆらゆら揺れる 金閣といえば派手で強烈な光を放っているイメージがありますが、実際に足を踏み入れて眺めてみると、優しく気品がある光に包まれています。手前の鏡湖池にゆらゆら揺れる姿は、何か夢の世界に来たような幻想を抱かせる雰囲気です。 ま…

銀閣寺   見どころ! 義政が遺した東山文化の象徴

義政は、自分の政治能力の乏しさに打ちのめされていた 寺名は慈照寺。室町幕府八代将軍足利義政は、弟の義視を還俗させてあと継ぎに定め、自分は義視が住職をしていた浄土寺の一角に慈照院を造り隠棲しようとしました。ところが、妻の日野富子が義尚を生み、…